アレルギーの発生メカニズムによる分類
種類 |
アレルギーの起こり方 |
疾患 |
1型 |
抗原が粘膜等から体内に入ると、この1型に非常に強く関与するIgE抗体が作られ、この抗体が肥満細胞がもっているレセプターと結合する。ここに侵入抗原が結合すると、抗体からの信号で肥満細胞がヒスタミン等の化合物を作り出して放出、これが炎症を起す。 |
花粉症、喘息、じん麻疹・アトピー、アナフィラキシーショックなど。 |
2型 |
自分自身の細胞に結合した抗体が、補体系を活性化させる事によって生体に障害を与えるパターン。 |
自己免疫性溶血性貧血、バセドウ病など。 |
3型 |
生体内で生じた、抗原・抗体複合体が、細胞に沈着して、それが補体系を活性化させて起こるパターン。 |
全身性エリテマトーデス、食品アレルギーの一部 |
4型 |
抗原がT細胞を活性化する事によっておこるもの。 |
結核・真菌・ウィルス等の感染症、脊髄炎、脳炎、慢性関節リウマチ・甲状腺炎など |
一般的に「アレルギー」と私達が言っているのは1型アレルギーのこと アレルギーには自己免疫疾患というグループに属する物もありますが、アレルギーというのは、基本的に、細胞を破壊して、炎症を起こし生体に障害を与えるものと解釈できます。
1型のように抗体が関与するアレルギーは、「即時型」と言われ、短時間に発症します。これに対して、細胞が関与するのは「遅延型」と言われ、少し時間をおいて発症するもので、2型、3型、4型がこれに当ります。
さて、アレルギーには、前述の様に、その発生メカニズムによる分類があるのですが、私達が一般的にアレルギーと呼ぶのは、多く1型の物を指しています。
ということで、以下、まずはこの1型のアレルギーを詳しくみてみみましょう。
アレルギーとは? 本来、人間の体には、外部から体内に侵入してくる、体の成分とは異なる外敵に対して、退治しようとする免疫のしくみがあります。侵入してくる異物を抗原といい、それに対抗して体が作る免疫物質を抗体といいます。再び異物(抗原)が侵入してくると、正常には抗原抗体反応(免疫)が行われ正常に免疫機能が働くわけですが、この本来は体を守るはずの抗原抗体反応が、同じ異物に対して「侵入→攻撃」を繰り返している間に、無害であるはずの花粉や食物、ダニなど異物に対して過剰に働いてしまい、体にとって都合の悪い結果をひき起こします。これがアレルギー反応です。 「アレルギー反応」は、「免疫」と反応の仕組みは同じですが、体にとっては、病気をひき起こす誤った「免疫の過剰反応」です。
アレルギーマーチ:アレルギーは連鎖します! アレルギーが目や鼻でおきると花粉症、気管支などでおきると喘息、皮膚でおきるとアトピ−となります。 アレルギーで心配なのは、人によっては、別の新たなアレルギーの症状に進行することがあるということ。
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1 |
「アレルギー性鼻炎(花粉症)」は多くのアレルギー体質の人が持つ症状。単なる鼻水・鼻づまりと考え、軽く扱われやすいが、あらゆるアレルギーの下地となりやすい。
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2 |
「アトピー性皮膚炎」の治療は、根気のいるものなので、治らないものと思いがち。神経質になるのも良くないが、そこから気管支喘息に移行しやすい。
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3 |
気管支ぜんそくが進行すると、吸引する薬なども必要となり、日常の活動も制限されやすくなる。
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※ |
アレルギーの連鎖は、左図のような順序だけではありません。年齢によって、アレルギーの中心症状は変化します。
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アレルギーにかかりやす体質を整理してみますと、下記の様になります。
@両親、特に母親がアレルギー体質である。 A皮膚の角質の保湿機能の低下で、乾燥肌である。 B本来、気管支が弱い。気管支過敏性である。 C子供のころ食物アレルギーだった。 D体内に悪い脂(飽和脂肪酸)が多い。 E体内に活性酸素を取りのぞくSOD(体の各細胞にひとつづつ存在する抗酸化酵素)の量が少ない。 F乳酸菌など善玉菌の減少で腸内環境が悪い。 G自律神経が乱れやすい。 H体内でIgE抗体を作りやすい。 I免疫力が低い。
理由 |
アレルギーが増えるその訳 |
幼児期の過保護 都会型生活 |
都会から土が消え、現代っ子は自然から、免疫が、試され学習する機会が減り、また、過保護で外で遊ばなくなり、肉体的・精神的に過度なリラックスモードで、これまた、免疫が、試され学習する機会がなく、アレルギー予備軍となっている。 |
低体温の増加 |
若年層にまで35度代の低体温者が増えた。体温が低いと免疫も下がる。免疫が下がると体温も下がる。この悪循環はアレルギだけではなく万病の元。 |
スギ花粉の増加 |
昭和30年代、盛んに植林されたスギが樹齢30年を超え、花粉を多くつける様になったことに加え、その建築資材としての価値が下がり、手入れもされないまま放置されている事が、花粉の飛ぶ量を増やし、スギ花粉症を増やし、アレルギーの予備軍となっている |
大人も子供も ストレス社会 |
アレルギー症状は自律神経と深くかかわっているため、ストレスで自律神経の調節が乱れ、免疫バランスも崩れ、アレルギーの症状も出やすい。 |
住環境の変化 |
サッシの普及などで住居の気密性が高まった結果、ダニやハウスダストが増加、比例してアレルギー体質の人が増えた。 |
食生活の変化 |
野菜を食べず、偏食、外食、インスタント食が多く、ために栄養バランスが悪く、腸内環境も悪い。高タンパク、高脂肪の肉、スナック菓子類など悪玉脂肪の摂取が増え、また、食品添加物の氾濫で常に身体が酸化状態で、免疫力を低下させアレルギーの予備軍となる。許可使用されている食品添加物は、日本363種類、米国180種類、英仏各15種類。日本の食品添加物の消費量は年間一人当たり4.5Kg。ふざけるな! |
大気汚染 |
車の排気ガス中の微粒子や炭酸ガスが原因となって、アレルギーを起こしやすくさせている。 |
根治できない |
アレルギーの諸症状は病院にかかっても治らないばかりか、病院での対症療法、ステロイド外用処方によって益々ひどく蔓延している。よってアレルギー患者が増える。 |
大人の アトピーの増加 |
いろんなケースで、ステロイドの内服の多様のせいで、大人にもアトピーが増え、他のアレルギー症状に移行している。 |
3歳児の50%がアレルギー! 年々増加の傾向強まる! 東京都では、このほど「アレルギー性疾患に関する3歳児全都調査」を実施、その結果を発表しました。同調査は、都内の3歳児のうち2004年9月に区市町村で実施された3歳児健康診査の受診対象者およびその保護者に行われたもので、その結果、これまでに何らかのアレルギー性疾患の症状があった者の割合は51.5%で、医師の診断を受けた者は36.7%だったそうです。
「アレルギー性疾患に関する3歳児全都調査」における、各アレルギー疾患の罹患状況の推移
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症状あり |
診断あり |
1999年 |
2004年 |
1999年 |
2004年 |
喘息・喘鳴 |
9.5% |
19.4% |
7.9% |
10.5% |
食物アレルギー |
9.4% |
15.6% |
7.1% |
8.5% |
アトピー性皮膚炎 |
18.0% |
20.5% |
16.6% |
15.3% |
アレルギー性鼻炎(花粉症を含む) |
7.5% |
14.6% |
6.1% |
9.2% |
アレルギー性結膜炎(花粉症を含む) |
5.1% |
6.9% |
4.6% |
4.5% |
じんましん |
15.0% |
17.1% |
11.9% |
8.7% |
その他のアレルギー性疾患 |
3.7% |
3.8% |
3.0% |
2.2% |
人間の体には、体内に侵入しようとするウイルスなど外敵(異物)を排除しょうとする働き(免疫機能)がありますが、ストレスなど様々な要因で免疫機能のバランスが崩れると、人によってはアレルギー反応が起こり、無害であるはずの花粉や食物、ダニなどにまで免疫の過剰反応が働き、アレルギーを引き起こします。つまりアレルギーの諸症状は、直接的には、花粉、食物、ダニ(原因物質=アレルゲン)などにアレルギー反応を起こして発症します。
アレルギーの原因物質(アレルゲン)は?
アレルギー |
原因物質 |
症状 |
花粉症 |
スギ、ヒノキ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、シラカバなどの花粉、日本では、花粉症を引き起こす植物は約60種類。ダニ、家の中のちり(ハウスダスト等)、ゴキブリなどの昆虫、ペットの毛、フケなど。 |
鼻みず・くしゃみ・鼻づまり、目のかゆみ・なみだ・充血など、時には、喉・皮膚のかゆみ、下痢などのをともなう炎症。 |
アトピー |
ダニ、ハウスダスト、カビ、花粉、ペットの毛、卵、牛乳、大豆、そば、竹の子など。細菌、真菌、有害化学物質、VOC、排気ガスなど。化粧品、装身具、ゴム、布など。
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赤腫れ、強いかゆみのある湿疹をともなった皮膚の炎症。 |
喘息 |
ハウスダスト、ダニ、カビ、花粉、米、小麦など食物、穀物粉塵、大気汚染、たばこの煙、接着剤、犬、猫、鳥などペット。風邪などのウイルス、タバコの煙、香水などの強い匂い、気温・湿度の急激な変化など。 |
呼吸音がゼイゼイやヒューヒュー(喘鳴)・呼吸困難・胸が苦しい・ひどい咳をともなった気道の炎症。 |
アレルギーは厄介な病気である! 「原因物質→マクロファージ→T細胞→B細胞→抗体→肥満細胞→ヒスタミン→知覚神経→鼻水、くしゃみ」と言う流れは、一連の花粉症にかかるアレルギー反応の流れのひとつです。この花粉症のアレルギー反応の流れの中で、「鼻水、くしゃみ」がでるのは、いずれも体を原因物質から守ろうとする正常な防衛反応ではありますが、あくまでもそれは「見かけの症状」でしかありません。本当に問題にすべきアレルギーの症状は、アレルゲン侵入箇所などへの厄介な炎症です。
@炎症の原因:アレルギーにおける炎症とは、分泌されたヒスタミンなどの刺激により、アレルゲン侵入箇所 などの毛細血管が広がり、血流が加速、その箇所に血液が集中するために、その箇所に腫れ・発熱・痛みが 発症したものです。しかし、発熱などの炎症は、自然治癒される過程においてとても大事な症状です。ウィ ルスなどの抗原は総じて熱にとても弱いからです。風邪で高熱が出るのもそういった理由によるものです。 A炎症の防御:一方炎症とは、防御反応のひとつで、体の中に起こった異常を元どおりにしようとする自然治 癒の正常な反応です。この自然治癒の過程を見ますと、炎症の発症により傷ついた箇所では、血管内から 顆粒球のひとつである好中球やマクロファージなどの白血球が集まり、侵入異物を退治し、傷ついた組織を 元通りに修復します。この過程で炎症箇所において活性化されたマクロファ−ジは、サイトカインなどを分 泌します。分泌されたサイトカインは、炎症の促進・制御にきわめて重要な役割を果たします。
以上のように、炎症とは、傷ついた組織を修復するために起こる生体の正常な自然治癒反応です。 しかしアレルギー症状のひとつである花粉症では、上記、「@の炎症の原因の真犯人をいまだ特定できず、またAの様に炎症を正常に防御できず、炎症箇所がなかなか自然治癒されない」と言う厄介な問題を抱えています。この様に花粉症などアレルギーの諸症状は、厄介な問題を抱えた病気と言う認識が必要です。 この病気は、花粉症以外のアレルギー症状のアトピーや喘息は言うにおよばず、他の隠れた病気のシグナル、他の病気を引き起こすかも知れないシグナルでもあります。アレルギーを侮るべきではありません。
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アレルギーはどうしてかかる? その1.(アレルギー発症のメカニズム)
アレルギーは、原因物質を鼻や口から体内に取り込んだからといって、すぐに発症するわけではありません。原因物質に接触するたびに体内に「IgE抗体」が蓄積され、それが、ある水準に達して始めてアレルギー発症の準備がととのった状態になります。 体内で作られる抗体は、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類ありますが、アレルギー反応に介在する抗体は「IgE抗体」です。血清中のIgE値が異常に高い人の場合、ほとんどが花粉症・アトピー・喘息等のアレルギー症状を示します。
アレルギー反応で、「IgE抗体」が作られる事が、すでに異常! 本来IgE抗体は、腸に侵入した寄生虫からの感染を撃退する役割をもつ抗体です。また本来、鼻粘膜・気管支などへの細菌侵入には、IgG抗体がその任にあたっています。鼻粘膜などでIgG抗体が活性化していると、IgE抗体の出番はありません。なのにアレルギーのひとつである花粉症の主な原因物質である花粉などの侵入に、鼻粘膜などでIgE抗体がその任にあたるのは何故でしょう。つまり、鼻粘膜についた異物の処理に、IgE抗体が作られること自体がすでに異常、と言うべきです。 なぜ、IgGではなく、IgEが作られるのか? 確たる答は出ていませんが、日常生活の無菌化により、IgG抗体の出番がなくなってしまったのが一因ではないでしょうか。また、生活環境の変化で、花粉や大気を漂う化学物質のちりなど、今まで出合ったことのない魔物の出現で、免疫系が戸惑っているためではないでしょうか? アレルギーのアトピーや花粉症、喘息は都会に多い現象です。
40代以上の方なら記憶にあると思いますが、昔の子供は時にアオバナ、ミドリバナを垂らしていたものです。あれは、IgG抗体が鼻粘膜などに侵入してくる雑菌と戦った後の残骸です。砂場で遊んでいる途中で、ハナクソをほじくったりしていれば、日々雑菌が侵入していたはず、そんな「ライフスタイル」が、免疫系を鍛えていたのでしょう。免疫系は、過保護になって、本来の役割を、徐々に失いつつあるのでしょうか?
「IgE抗体」が作られるプロセスと働きは? @抗原(細菌など)が鼻や気管支などの粘膜に取り付くと、抗原が粘液に溶けだし、 Aこの溶けだした抗原がリンパ球の一つであるマクロファージに取り込まれて異物と認識、ただちにその情報 がTヘルパー細胞に伝達され、 B伝達されたTヘルパー細胞がその侵入抗原を敵か否かの判断を下し、敵の場合、B細胞に攻撃命令がだされ、 Cそれを受けてB細胞が、抗原に対抗するIgE抗体を、次に備えた物まで含めて、適量作り出し、
D作り出されたIgE抗体は、対抗する抗原を攻撃撃破し、一部のB細胞などに攻撃対象の記憶が残り、免疫を獲 得します。
上記「IgE抗体が作られるプロセスと働きは」、正常な抗原抗体反応(免疫)ですが、正常な場合はIgE抗体が適量作られるのに比べ、アレルギー反応では、それが大量に作られてしまいます。 では何故、アレルギー反応では、「IgE抗体」が大量に作リ出されたしまうのでしょうか?
アレルギーにおける「IgE抗体」が大量に作られるプロセスは? @ダニ(ダニの糞)などが鼻や気管支などの粘膜に取り付くと、ダニのタンパク質が粘液に溶けだし、 Aこの溶けだしたダニのタンパク質がリンパ球の一つであるマクロファージに取り込まれて異物と認識、ただ ちにその情報がTヘルパー細胞に伝達され、 B伝達されたTヘルパー細胞がその侵入異物を敵か否かの判断を下す際、侵入ダニをその都度、誤って敵とみな してしまった結果、その都度B細胞に攻撃命令がだされ、 Cそれを受けてB細胞が、敵とみなされたダニに対抗するIgE抗体を、その都度作り出します。 Dこの様にして作り出されたIgE抗体が、結合しやすい性質を持った顆粒球の「肥満細胞」と結合するため、 Eダニなどと接触するたびにその都度作り出されるIgE抗体は、こうして体内に大量に蓄積されてゆきます。
その結果、アレルギーを発症させる! 上記のように作られた「IgE抗体」が「肥満細胞」の表面に次々と結合して、あるレベルに達した段階を「感作が成立した」と呼び、アレルギー反応の準備が出来上がった状態となります。こうした人が再びダニなど原因物質に接触すると、アレルギーの初期症状が現れやすくなります。こうした状態のところにさらにダニなどの抗原が侵入すると、肥満細胞に結合したIgE抗体が抗原とみなされたダニなどをキャッチして結合し、この繰り返される反応が刺激となって肥満細胞が活性化、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、これらが過剰に毛細血管や知覚神経を刺激することで、アトピーの場合、皮膚にアレルギー反応をひき起こし、皮膚に湿疹を作り炎症させる、アレルギーのひとつであるアトピーを発症させてしまうのです。
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アレルギーはどうしてかかる? その2.(アレルギーの根本原因)
何故、アレルギーは根治出来ないの? @アレルギーの諸症状は、遺伝的なものが根本にある。 Aアレルギーの諸症状は、何故増えるのか、様々な理由がある。 Bアレルギーの諸症状の、主な原因物質も特定できている。 Cダニなどが体内に入ると「IgE抗体」が大量に作られ、結果、アレルギー反応をひき起こす。
ここまで判れば、アレルギー撲滅の峠は越えたようにも思われるのですが・・・・!?
しかしアレルギーは一向に減る兆しを見せません。むしろ増加傾向にあります。現にこの20年の間に、アトピーや花粉症、気管支喘息などのアレルギーは大変な勢いで増えました。たとえば、最近発表された国立生育医療センター研究所の調査によれば、1970年代生まれの若者の九割がダニやスギ花粉でアレルギーを起こしやすい体質を持っているといいます。1950〜60年代生まれでは四、五割ですから、いかにアレルギー体質が増えてきているかがわかります。
では、ここまで判っていて、どうして現代医学は、アレルギーを根本から治療できないのしょうか? また、同様な、遺伝的にアレルギー体質の方が、おなじ環境の中で、ある人はアレルギーにかかり、ある人はアレルギーにかからないのは何故でしょうか? それこそそれが問題で、アレルギー発症には、花粉など原因物質や遺伝体質、IgE抗体の大量生産だけでは、その発症の根本原因を説明することは出来ません。ゆえに、アレルギーの根本原因を特定する必要があります。
まず、アレルギーが発症する根本原因は何? アレルギー発症には上記「アレルギーにかかりやすい体質は?」でも指摘しましたが、遺伝的なもの、内蔵機能の低下、自律神経の乱れ、IgE抗体を作りやすい、免疫力の低下など、アレルギー体質が大いに関係しているのですが、中でも、免疫力は最も重要な鍵です。 免疫力低下による「免疫バランス」の崩壊は、様々な病気をひき起こす元凶です。後にふれますが「免疫バランス」とは、それぞれの免疫細胞が、その役割をそれぞれ正常に行うと言うことです。
アレルギーは、侵入した異物に対して「免疫の過剰反応」によって発症するものです。しかしこの免疫の過剰反応とは、決して、「免疫力が高い」と言うことと同義語ではありません。「免疫のバランス」が崩れたから免疫の過剰反応が起こるのであって、「免疫力が高い」から免疫の過剰反応が起こるのではありません。
「免疫の過剰反応」とは、異物(抗原)を排除しようとして、免疫細胞である 白血球が必要以上に働き、1.体に不快なアレルギー症状をもたらしたり、2.体内の正常な細胞まで攻撃誤爆(自己免疫疾患)してしまう状態を言うのですが、 上記、「アレルギー反応におけるIgE抗体が大量に作られるプロセス」で指摘したとおり、 @Tヘルパー細胞が、侵入したダニが無害であるにもかかわらず有害と誤って認識し、 Aダニが侵入する度に、B細胞にIgE抗体を作らせ、 B肥満細胞と結合してIgE抗体が体内に大量にに蓄積され、それが一定量を超えた時、 C度重なる侵入ダニがIgE抗体と結びつき、上記1.の「免疫の過剰反応」が起こり、 ついには、アレルギーをひき起こしてしまうのですから、これをもって「免疫力が高い」などとは、どうひいき目に見ても言えるものではありません。アレルギー発症の初期段階において、白血球の中のリンパ球の中のTヘルパー細胞が、侵入ダニを誤って敵とみなして必要以上に働くことは、「免疫力が高い」こととはほど遠いものです。ここを勘違いするから、「免疫抑制」を主眼とする治療が巷でまかり通るのです。
「免疫の過剰反応」は、「免疫力が高い」現象ではなく、「免疫の異常」な現象です。異常とは、正常ではなく、「乱れている、狂っている、バランスを欠いている」状態です。それぞれの免疫を司る細胞たちが、何らかの理由でバランスを欠いている状態です。すなわち、「免疫の過剰反応」とは、「免疫バランス」が崩壊した状態です。 したがって、アレルギーは、「免疫バランス」が崩壊した結果、発症します。
アレルギー発症のきっかけを作る真犯人! そもそもアレルギーは、Tヘルパー細胞が正常に働かなかったがために発症しました。Tヘルパー細胞は、免疫を司る細胞の中では司令官の役割を果たす細胞ですが、それが体にとって無害なダニを、有害と誤って認識したために、ダニが侵入するたびに、誤った命令をB細胞へ指示、アレルギーの素であるIgE抗体を大量に作らせてしまいました。 言い換えるならば、Tヘルパー細胞が正常に働いてさえいれば、「アレルギーにかかりやすい体質」の方であっても、アレルギーを発症することはなかったのです。同じ環境の中で、親子、兄弟、双子が「アレルギーにかかりやすい体質」であるにもかかわらず、アレルギーにかかる人とかからない人がいるのはそのためです。
では、アレルギーにかかる人は、何故Tヘルパー細胞が正常に働かなかったのでしょう? この様な人にとっても、最初からTヘルパー細胞が異常だったわけではありません。度重なるダニなどの侵入にも最初は正常に働いていたと思うのですが、ある日を境にその働きが狂い始めてしまったのです。それはすべての人に個人差のあるもの、トータルな免疫力そのものの差です。つまり、Tヘルパー細胞が正常に働けなくなった理由は、トータルな「免疫力の低下」によるものです。様々な生活環境、ストレスなどが引き金となって徐々に本来の免疫力が低下し、Tヘルパー細胞も正常に働けなくなってしまったのです。
アレルギー発症のきっかけを作る共犯者! アレルギー発症のきっかけを作る真犯人は、Tヘルパー細胞でした。しかし、共犯者もいます。 免疫を司る白血球の中のリンパ球には、T細胞、B細胞、NK細胞があるのですが、T細胞の中にはさらに、Tヘルパー細胞(認識・命令)、Tキラー細胞(攻撃・殺傷)、Tサプレッサー細胞(攻撃停止・抑制)があるのですが、ここで問題なのは、Tサプレッサー細胞です。Tキラー細胞は文字通りがむしゃらに、ダニなどを抗原とみなして攻撃します。Tサプレッサ細胞の攻撃停止命令が無い限り攻撃します。またB細胞は、ダニなどを抗原とみなしてIgE抗体を作り続けるのですが、これまたTサプレッサ細胞の抑制中止命令がないと作るのを止めません。 この様にTサプレッサー細胞は、自分の役割を明らかにサボっておりアレルギー発症のきっかけを作る共犯者です! その共犯者はもう一人います。それはB細胞です。B細胞はTヘルパー細胞の命令に従って、IgE抗体を作るのですが、その際もうひとつの重要な役割を果たします。それは次に備えて、侵入抗原をしっかり記憶しておくことです。なのにB細胞はダニなどに対しては健忘症になってしまい、再侵入でまた性懲りもなくIgE抗体を作り続けます。
アレルギーの自然治癒のキーパーソンは眠っている? アレルギーの自然治癒のキーパーソンとは一体なんでしょう。それはサイトカインと言う物質です。 サイトカインは、アレルギー反応によってできた、炎症で傷ついた箇所を修復する際、活性化されたマクロファージとTヘルパー細胞によって分泌され、Tキラー細胞など攻撃に関与する細胞を元気づけするのですが、一方、炎症の修復においても、攻撃の停止や抑制を行うTサプレッサー細胞やB細胞を元気づけます。 サイトカインは、免疫系の指揮命令を伝達する“メッセンジャー(情報伝達)”と”コントロール(制御)”の機能を担う物質ですが、アレルギーの発症、治癒においては眠ったままだったのでしょうか?
アレルギーの根本原因は、「免疫力の低下」による「免疫バランス」の崩壊である! 上記で見たように、免疫系は互いに互いを監視し合う、微妙なバランスの上に成り立っています。しかしアレルギーにおいては、免疫を司るそれぞれの細胞は、その役割を正常に果たしておりません。「免疫バランス」が崩壊した状態です。「免疫バランス」の崩壊の原因はというと、くどいようですが、それは何らかの原因による「免疫力の低下」です。
アレルギーの「見かけの症状」である皮膚への湿疹ひとつを取ってみても、「この皮膚の炎症は、@ダニなどによる皮膚組織にアレルギー反応した症状であり、Aダニなどの侵入または破壊された皮膚組織を修復しようとする自然治癒反応」なのですが、皮膚に炎症ができるのは、もともと皮膚組織の免疫力が低いためであり、かつ炎症を癒そうとする自然治癒反応の段階にいたっても自然治癒されないのも、これまた免疫力が低いためであります。
したがってアレルギーは、誤解を恐れずに言うならば、『「免疫力の低下」がきっかけで「Tヘルパー細胞」などが異常をきたし、「免疫バランス」が崩壊することによって発症、そのためにさらに「免疫力が低下」、ためになかなか治らない病気である』と、見るべきです。
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アレルギー発症の根本原因である「免疫バランス」の崩壊とは?
「免疫力のバランス」が崩れると、さまざまな弊害が起こる! 例えば、「免疫バランス」が崩れると、 @自己細胞の変質(死亡率が第一位のガンなど):私たちの体の中では、毎日、自己細胞が変質したガン細胞が 作られています。しかし、免疫力を高めておくとガン細胞は、NK細胞やTキラー細胞などによって退治してく れるのですが、免疫力が低下すると、ガンにかかってしまいます。 A生活習慣病(心臓病など循環系、糖尿病など):最近の研究では、生活習慣病の多くが、免疫力の低下によっ て引き起こされていると、ここかしこで指摘されています。 <↑上記の方は、免疫力を高める ↓下記の方は、免疫力を調整する> B自己細胞への誤爆(自己免疫疾患):もし、味方(自分自身の細胞)を“敵”と誤認してしまったら・・・。自 分自身の細胞が破壊され、慢性的な炎症を惹き起こします。不幸なことにこのような疾患に悩む方が多数お られます。 C過剰防衛(アレルギー):ダニやスギ花粉のように無害な外来異物に対して、過剰な免疫反応が生じると、不 必要な炎症が惹き起こされます。
免疫系(免疫力)はバランスが命! 1.免疫を語る上で、白血球のリンパ球と顆粒球のバランスはとても重要です。
リンパ球と顆粒球のバランスが極端に崩れると、いろいろな疾病に見舞われます。リラックスモードの副交感神経が優位になるとリンパ球が増え→アトピーなどのアレルギーなどを引き起こし、興奮モードの交感神経が優位になると顆粒球が増え→ガンなど組織の破壊を引き起こします。(安保徹教授の著書「免疫革命」を参照)
2.免疫系が正しく働くには、正確でスピーディな「無害・有害の異物の認識」、「適切な攻撃の開始と終了」の制御が重要な鍵となります。
その際、マクロファージなどが放出する免疫物質であるサイトカインは、免疫機能の中で非常に重要な役割を果たします。トランスファー因子をはじめとする各種サイトカインは、免疫系の指揮命令を伝達する“メッセンジャー(情報伝達)”と”コントロール(制御)”の機能を担います。
3.免疫系において、基本的に重要なことは、免疫の過剰反応(アレルギー)や、健康な自己細胞の攻撃(自己免疫疾患)をして消耗することのないように、迅速かつ有効的に反応することです。 @如何に外敵に対して迅速に反応できるよう促すか。 A如何に外敵を特徴づけ明確に認識できるように標識となれるか。 B如何に排除した外敵を再確認し、再度の侵入者か否かの目標を定めるられるようにするか。
などの役割が、免疫系のバランス適応力を高める上では、これまたとても重要なことです。
初めに、アレルギーを理解するために『「免疫力の低下」がきっかけで「Tヘルパー細胞」などが異常をきたし、「免疫バランス」が崩壊することによって発症、そのためにさらに「免疫力が低下」、ためになかなか治らない病気である』と認識する必要があります。
この認識の上に立って、日々、生活環境の悪化から引起される体の異常(自律神経・免疫バランスの変調、免疫力低下、内臓機能低下など)に心を配り、体内からアレルギーを予防する必要があります。 アレルギーにかかってしまう前、アレルギーにかかってしまった後の予防は、どうすれば良いのでしょう?
1、日常、注意すること
花粉症 |
@プロテクター付のメガネやゴーグル、マスク、スカーフ、帽子を着用する。 A服は、花粉がつきにくいスベスベした素材のものを選ぶ。 B髪をコンパクトにまとめ、花粉が髪につかないようにする。 C車の通風口は、花粉の侵入を防ぐために、閉じる。 D花粉飛散の季節には、家の窓を開けない。 E家に入る前は玄関先で、衣服や髪、持ち物についた花粉をはらう。 F外出から家に帰ったら、手・顔・目・鼻を洗い、うがいをする。 |
アトピー |
@花粉、ダニなどアレルゲンを除去する。 A保湿剤を使用する場合は、油分だけでなく、適度に水分を含んだ物を選ぶ。 Bアレルゲンとなる卵や牛乳・小麦粉などの食事を制限する。 Cボディローション、シャンプーとも、免疫バランスを考えた成分が入っている製品を選ぶ。 D喫煙は体内の活性酸素を増加させて炎症を引き起こすので禁煙する。 |
喘息 |
@花粉、ダニなどアレルゲンを除去する。 A風邪やインフルエンザによって、喘息が増悪することもよく知られている。風邪の予防。 B気温の急激な変化に注意する。 C激しい運動をひかえる。 D喫煙は体内の活性酸素を増加させて炎症を引き起こすので禁煙する。 Bアレルゲンとなる卵や牛乳・小麦粉などの食事を制限する。 |
2、上記、「アレルギー体質」の方は、下記の表、「アレルギーの治療」をご参照下さい。 アレルギーの予防、アレルギーにかかってしまったら、特に、日ごろから、免疫のバランスを崩さない様
に心がけそのために、日頃から免疫力を高め、特に「免疫力の調整」に留意しましょう。
アレルギーの改善には、体内の、免疫バランスの調整、腸内環境の整備(乳酸菌など善玉菌による腸管免疫の強化)、酵素の補給(特に、未消化タンパク質の分解)、抗酸化物質による活性酸素の除去(各細胞、皮膚保護機能強化)、食生活の改善(天然ビタミン・ミネラル・善玉脂肪酸の補給)を心がけましょう。
中でも免疫バランスの調整は、最も重要です。 免疫バランスの調整とは、過剰反応気味の免疫状態(巷では、通常「免疫力が高い」状態と言われています)の場合は免疫反応を正常に戻す、免疫力が低い場合は免疫力を高める、と言う調整です。
アレルギーの治療は、病院などでも混乱しており、多くのアレルギーで苦しんでおられる方たちは、いまだに適切な治療も受けられることなく、日々悩んでおられるのが実状です。
どうしてこの様なアレルギーの治療の混乱が、医療現場でも起きているのでしょう。それはアレルギーの根本原因が解明されていないことに起因します。
治療法 |
内容 |
副作用・効果 |
@病院での 薬物療法 |
・花粉症、アトピー、喘息ともステロイドを中心とした、飲み薬、塗り薬、吸引薬などの薬物で治療している。 |
ぬり薬、飲み薬ともに、一時しのぎに過ぎず根治しない。むしろ依存症など様々な副作用がある。 |
A日常生活 の工夫 |
・上記、「アレルギーの予防は万全ですか?」の1.を励行する。 |
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Bスキンケア |
・皮膚の清潔:毎日の入浴シャワーが大切。
・皮膚の保湿:皮膚の保湿と潤いを与える。
・皮膚のかゆみ:爪を短く切り、なるべく掻かない様にする。
・咽頭の保護:風邪予防に喉などを直接保護する。 |
皮膚に保湿と潤いを与え、皮膚や喉のトラブルを直接抑え、皮膚からも免疫バランスを整え、アレルギーの症状を抑える。 |
C健康食品 |
・体内の免疫バランスの調整に良いもの。
・体内の抗酸化のために良いもの。
・酵素や善玉菌で腸の環境を整えるために良いもの。
・身体に良い脂(飽和脂肪酸)を効率よく摂るために良いもの。
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免疫バランスを整える上で欠かせない製品を選ぶ。 |
D自然療法 |
・漢方、温泉、海水などの自然的なアトピー治療。世界でも西洋医学 以外の代替医療として注目。 |
リラックス、ストレス解消は、体質改善を図り、アレルギー改善に良い。 |
たとえアレルギー体質であっても、昔は、衛生的に、栄養的に劣悪な環境の中にあって、今ほどアレルギーにかかっている人が少なかったのは何故でしょう? それは、免疫が関係していました。免疫は、最初母親の初乳から受け継ぐわけですが、成長過程においては、様々な劣悪な環境においていろいろ試され学習します。非衛生的であるということは、常に外部からの細菌などの体内への侵入に免疫が試され学習、免疫のバランスを強化する一翼を担いました。また、食べ物のほとんどは自然食で、悪い脂(飽和脂肪酸)や化学調味料などを摂ることもなく、密閉的な住環境や排気ガスなど環境汚染もなく、したがって今ほど体内に活性酸素の大量発生も生じさせず、腸内環境も比較的良好で、今ほど社会的ストレスもなかったために自律神経が乱れることも少なく、結果、免疫バランスを乱すことが少なかったことが幸いしていました。
しかし今日、アレルギーは増えこそすれ減る兆しがありません。そればかりかアレルギーは、ますます重傷化、治りにくいものとなっております。それは、病院での対症療法で出されるステロイドの介在が、問題をより複雑にしています。 ステロイドはコレステロールと同様に、体内に入ると排泄されにくいと言う特徴があります。そのため体内に入ると活性酸素の影響を受け、過酸化脂質として皮膚組織などに沈着し、その刺激が顆粒球を増大させ、その結果免疫力が低下して、皮膚などにさらに炎症を起こします。長期間にわたってステロイドを使用すれば、このアレルギーの炎症が慢性化します。すると、その治療のためにさらに多量のステロイドを使わざるを得なくなると言う悪循環に陥ってしまいます。 ステロイドによる対症療法は、悪く言えば「その場しのぎ」的なもので、この対症療法ではアレルギーの根本的治療にはなりません。これが、アレルギーを重症化、治りにくくしている原因のひとつです。
ステロイド使用で増大する顆粒球には、好中球(顆粒球の主体)、好塩基球(肥満細胞)、好酸球(寄生虫にめっぽう強い。アレルギーで増加)があるのですが、好酸球もIgEレセプターを持っていて、肥満細胞と同じ様な化学物質を作り出します。アレルギーの時にお呼びがかかる好酸球は、どうもIgE抗体のように侵入抗原を寄生虫と見誤って、侵入箇所に呼ばれている疑いがありますが、肥満細胞が放出する活性ヒスタミンを不活性化する重要な役割をも果たしているとされています。しかし、最近、ステロイドの多様のせいで、この好酸球が必要以上に増加し、それが炎症のさらなる悪化を促し、アレルギー症状の重症化・慢性化に関与しているのではないか、と疑われています。
過酸化脂質もアレルギーには大敵です。
過酸化脂質とは脂が酸化してできるものです。過酸化脂質には「体内の脂質が酸化したもの」と「食べる油が酸化したもの」とがありますが、食事、間食(スナック菓子等)などで、日常悪い脂(飽和脂肪酸)を多く食べる人などは、体内に、活性酸素によって過酸化脂質を大量に発生させますので、これがさらに皮膚組織の症状を悪化させてしまい、それも、現代のアレルギーを重症化し、治りにくくしている原因のひとつと言えます。
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