トランスファーファクターの歴史

 免疫プラザ トランスファーファクターは免疫システムの中心的なもので、私たちの体を様々な病気から守ってくれるものです。

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2003年ページアップ以降、多くの方から、トランスファーファクターについてのご質問を、
お受け致しました。その都度返事を出していたのですが、手に負えず、2006年7月新たに、
このトランスファーファクターについてのページを、アップすることに致しました。


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 No2. トランスファーファクターの歴史と研究


  @トランスファーファクターとは何か?
 Aトランスファーファクターの歴史と研究
 Bトランスファーファクターの信頼性および安全性
 Cトランスファーファクターに対するよくある質問
  Dトランスファーファクターと免疫学から見た健康

トランスファーファクターに関するお問い合わせ

トランスファーファクターの発見

トランスファーファクターの製造を支えるテクノロジーはまだ新しいものかも知れませんが、その研究は半世紀以上も前にさかのぼります。

トランスファーファクターの製造が可能になったのはごく最近ですが、発見されたのは、今から50年以上前の1949年の事でした。
当時、結核の研究を行っていたシャーウッド・ローレンス博士は、菌に感染していても発病しない(結核菌の免疫を持った)患者の血液を感染していない人に輸血するとどうなるかと言う実験を行っていました。
実験の結果、博士は「免疫物質が免疫情報を伝える物質により、結核に感染していない人の体内に移動している」という事を発見しました。
彼はこの免疫情報伝達物質を、「トランスファーファクター」と名付けました。

ところが、輸血という方法では患者に合った血液型のキャリア(結核菌の免疫を持った患者)が必要となり、その人達を探すのも困難であったため、トランスファーファクターは現場で活かされないまま、次第に忘れ去られる幻の存在となっていきました。

また、ローレンス博士の発見があった当時、抗酸化物質による「奇跡の治癒」が広く利用されるようになり、ますますトランスファーファクターの研究は隅に追いやられてしまいました。
しかし抗酸化物質がもてはやされる時代の中でも、熱心な臨床医学者らは約44億円の費用をかけてトランスファーファクターの研究を続け、世界中ですばらしい臨床結果を得るに至りました。実際、ローレンス博士の先駆的な発見から50年の間に、トランスファーファクター使用におけるその効果と安全性について3,500件以上の研究論文が出版されてきました。しかし、近年に至るまでトランスファーファクターの市販用大量生産は不可能でした。


トランスファーファクターの再研究

それから40年後。
進歩した科学の技術力により、再び、トランスファーファクターは研究の対象となりました。

1989年、ゲイリー・ウィルソン博士とグレッグ・パドック博士、2人の研究者が「初乳の中にもトランスファーファクターが存在するのでは?」と考え、牛の初乳からトランスファーファクターを抽出する実験を行いました。
哺乳類は、胎児の間は無菌状態なので 免疫そのものが存在しません。しかし、出産後、最初の母乳(初乳)を飲んだ後には確実に免疫が働いているため、研究者は初乳の中に、胎児の免疫機能を呼び覚ます伝達物質(トランスファーファクター)が入っているのではないかと考えたのです。

その結果、牛の初乳からトランスファーファクターを抽出できる事が判明し、両博士は高度な技術を駆使して抽出法を完成させ、特許を取得しました。

また、抽出方法も研究が重ねられ、より免疫活性化率の高い物へと変わって行きました。
そして、様々な研究によって、鶏卵からもトランスファーファクターを抽出できる事がわかり、より安定したトランスファーファクターを抽出する事が可能となりました。

トランスファーファクターは、健康食品として、現在、米国4Lifeリサーチ社のみが流通させていますが、2006年中には牛の初乳によるトランスファーファクター抽出の特許が切れることもあって、来年以降はその他の健康食品及び製薬会社の製品としても流通することでしょう。


2004年4月8日(木)付ニューヨークタイムズに掲載された
H.シャーウッド・ローレンス博士に関する記事(抜粋)

H.シャーウッド・ローレンス博士H.シャーウッド・ローレンス博士(享年87歳)免疫学の先駆者で、血液とリンパ腺中の白血球の一種、リンパ細胞の機能を探求する生物学分野に大きく貢献した人物です。ローレンス博士が50年以上にも渡って教鞭・研究を行っていたニューヨーク大学は、博士が2004年4月5日(月)にマンハッタンで死亡したことを伝えました。
ジェリーの愛称で親しまれたローレンス博士は、伝染病の専門家としても知られていました。博士は、移植された器官に対して身体がいかに拒絶反応を示し、どのように身体の異常が組織を傷つけるかについて研究を行いました。
1949年、様々な感染媒体から身体を守るために重要な役割を果たすTリンパ細胞の産物である「トランスファー因子」を発見したことが、ローレンス博士の功績として最もよく知られています。ローレンス博士はリンパ細胞と免疫細胞の機能を様々な角度から予測し、後にサイトカインとして知られる免疫物質の発見につながる手がかりとなりました。

H.シャーウッド・ローレンスはクイーンズ市、アストリアに生まれました。1938年ニューヨーク大学を卒業し、1943年に同校の医学部を卒業しました。一年の研修を終えた後、第二次世界大戦では海軍医療仕官として勤務し、名誉ある勲章を受けました。

戦後、ニューヨーク大学で内科の専門医としての研修を得て、同大学医学部に所属しました。1959年から伝染病と免疫学の指導を2000年まで続け、1964年から2000年までは、ベルブーとニューヨーク大学病院の医療理事補佐を勤めました。1974年から1979年までニューヨーク大学がんセンター、1989年から1994年までは同大学エイズ研究センターのディレクターを勤めました。細胞免疫学(Cellular Immunology)と言う雑誌を初めて出版した編集者であり、米国学術院(National Academy of Sciences)の会員でした。



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