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免疫は体内システム全体に関っている
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免疫は体内システム全体に関っている 免疫について一般的によく知られているのは、体外からの抗原の侵入によって産生される抗体が、一度かかった病気を再びかからないように予防するというものですが、実はこれは免疫の一面を見ているに過ぎません。 免疫の本当のすごさは、人間の体の全体に張り巡らされているさまざまなシステムと深い相関関係にあり、体内システム全体に関っているところにあります。
人間の生命維持活動を営む上で必要な体内システムはさまざまありますが、中でも代表的なものは (1)代謝エネルギーのシステム (2)自律神経系のシステム
(3)白血球のシステム などで、これらの体内システムは、互いに常に微妙なバランスの上に成り立っています。それぞれのシステムは、「体のここにある」といったそれぞれに特定できる明確な器官があるわけではありませんが、互いに有機的に結びついています。
(1)代謝エネルギーシステムは体内システムのすべての基本です。それは一口で言うと、人間が生きていくためのエネルギーを消費・蓄積するシステムのことです。つまり食物を食べることによって、体全体の細胞のレベルにいたるまでありとあらゆる活動に必要な栄養・エネルギーを供給し、運動する、考えるといった日常生活を営む上でなくてはならないものです。
食べれない(栄養不足)、何を食べているか(発がん物質など)、どのくらい食べているか(過食)といったことの結果として、免疫力が低下し栄養失調だったり、がんの誘発だったり、肥満、糖尿病だったりと生活習慣病を患うことになるのです。
(2)自律神経系のシステムは、交感神経と副交感神経の2種類の神経系統から成り立ち、「自律」とあるように、私たちの意志ではコントロールできないという特徴があります。心臓を動かす(血液の循環)、無意識の呼吸、胃腸での消化など体全体の、意思がおよばない運動を司っています。 自律神経の交感神経と副交感神経は、交感神経→興奮させる(職場でのミス、全力運動、夫婦喧嘩などのストレス)、副交感神経→リラックスさせる(音楽を聴きながらくつろぐ、お風呂でゆったり、歩く)、という具合にそれぞれ相反する方向に働き、健康なときには常にバランスを保っています。ところが強いストレスなどでこの2種類の神経のバランスが崩れ、片方に極端に持続的に偏ると、顆粒球とリンパ球の、免疫力のバランスも偏りさまざまな病気をもたらします。
※体の生命活動すべてをコントロールしているこの自律神経システムが、実は白血球のシステムもコントロールしています。
(3)白血球のシステムは免疫を司り、免疫力に関るのは「マクロファージ」「顆粒球」「リンパ球」です。 ご存知の通り成人の血液は、赤血球(酸素や栄養を全身に運ぶ)、白血球(血管内部を自由に動き回り抗原・変質自己細胞を攻撃し体を守る)、血小板(出血時に血液を凝固させる)からなり、体重の約13分の1、約5gでほとんど骨髄で作られますが、白血球の一部は脾臓やリンパ節など別の場所でも作られます。 免疫を司る白血球は、血球全体の1000分の1の量ですが、健康な状態の時には マクロファージ 5% 顆粒球 60% リンパ球 35% の割合を保っています。
マクロファージは白血球の基本細胞で、免疫のおおもとです。 リンパ球はマクロファージの指令で小さな異物を処理します。 顆粒球は大きな細菌を自らに取り込んで処理します。
※マクロファージが産生する免疫物質であるサイトカインは、近年、免疫系だけではなく、 神経系(運動神経系、知覚神経系、自律神経系)、内分泌系(脳下垂体、甲状腺、生殖腺、副腎などから分泌されるホルモン)の生体の重要な機能も調節している、生理活性因子であることも判ってきました。
ホメオスタシス(恒常性)とは、
生物のもつ重要な性質のひとつで、生体の内部や外部の、ストレスなどの環境因子の変化にかかわらず、生体の状態が一定に保たれるという性質、あるいはその状態のことを指す。これは生物が生物である要件のひとつであるほか、健康を定義する重要な要素でもある。
ホメオスタシス(恒常性)、人間など哺乳類の場合、神経・免疫・内分泌(ホルモン)の相互作用によって維持されている。
ホメオスタシス(恒常性)の保たれる範囲は、体温や血圧、体液の浸透圧やpHなどをはじめ、病原微生物の排除、創傷の修復など生体機能全般に及ぶ。ホメオスタシス(恒常性)が保たれるためには、これらが変化したとき、それを元に戻そうとする作用、すなわち、生じた変化を打ち消す向きの変化を生む働きが存在しなければならない。この作用を主に司っているのが自律神経系や内分泌系(ホルモン分泌)、それに免疫系である。
免疫バランスが崩壊すると病気になる
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