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牛の初乳に含まれている「トランスファー因子」が、免疫力を高める |
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初乳とは哺乳動物の出産後24〜28時間のあいだ産生されるお乳を意味し、それは免疫機能を供給し、新生児の健康を維持します。初乳は一般の乳よりかなり複雑で、自然界の何処にもないナチュラルな免疫と成長要素を含んでいます。
最近の医学的研究により、牛科の初乳は牛に特有でない重要な免疫と成長要素を含むことが明らかになりました。
ヒトもこれらの重要な免疫成分を利用できると思われます。
哺乳動物の母親がそうであるように、牛も、子供が生まれると母親の乳腺では、生まれた生命を支えるための成分が分泌され初乳になります。
この初乳の成分には、新生児が直ちに出会う様々なウイルス、細菌、毒素などから体を守ってくれる免疫物質や、健やかに育ち病気や傷を速やかに治癒させる種々の成長因子があり、新生児が正常に生育するのを促します。
 牛の初乳に含まれている成分
トランスファー因子(免疫因子)、抗体、ラクトフェリン(糖タンパク質)、サイトカイン(生体機能調節タンパク質)、ロイコサイト(白血球)、インスリン様成長因子、増殖ホルモン、酵素類、糖ペプチド、トランスフェリン、クレアチンなど
牛のトランスファー因子
哺乳動物が出産後まもなく与える母乳に、母親の豊富な経験に基づいた免疫情報を伝える「トランスファー因子」が含まれています。そのため、授乳された乳児の免疫系統が早期に確立されます。病原菌など微生物の危険にさらされる乳児の抵抗力をつけるための、自然の摂理でしょう。母乳を与えられなかった乳児は、感染症、アレルギー、小児ガンなどの病気にかかりやすくなります。
現代の酪農牛の生息環境は、微生物に満ちていて、母牛は子牛が必要とする量をはるかに超える初乳を分泌し、多量のトランスファー因子を産生します。このトランスファー因子は、種の垣根を越えてどの動物にも有効であり、牛の初乳は、もちろんヒトにとっても有効であることが判っています。
牛の抗体(免疫グロブリン=IgG・IgA・IgM・IgE・IgD）
初乳の授乳によって、新生児は、自ら抗体を産生する間、母親から抗体ももらい受けます。抗体には様々な形態の免疫グロブリンIgG・IgA・IgM・IgE・IgDなどが含まれていて、非常に重要なIgGは新生児に様々なウイルス病原体に対する免疫力を与えます。他の免疫グロブリンは粘膜と腸の病原体を攻撃し、環境アレルギー因子と戦います。
ヒトの場合は、生後３０時間で、母親の免疫グロブリン吸収能力は失われます。生後３０時間を経過すると、ヒトは抗体を吸収しないことが確認されています。成人に抗体を経口投与すると、胃の酸度や腸内酵素の働きで、ほとんどが分解されてしまいます。したがって抗体は、ある動物では有効ですが、他の動物にはまったく効かず、異なる動物の抗体をヒトに経口投与しても、免疫的効果は期待できません。
牛のラクトフェリン
ラクトフェリンとは、鉄と結合している糖タンパク質のことですが、その働きは、鉄と結合する性質があることから、鉄を必要とする細菌から鉄を奪うことで、細菌の発育を抑制･駆除する物質として作用すると言われています。
この様に有効な免疫物質ですが、牛の初乳は、ヒトにラクトフェリン補給の目的で使用することは非効率的です。何故ならば、牛の初乳に含まれるラクトフェリン濃度は、ヒトのそれに比べ、かなり低いものだからです。
ヒトが利用できる、牛の初乳に含まれる免疫強化成分
私達の健康は免疫機能に多くの影響を受けています。免疫防衛機構は、バクテリア、ウイルス、寄生虫、体内の異物細胞など、病原菌やガン細胞などに対して認知、識別、攻撃を加えます。
世界中の免疫学者、研究者、医師は有害なバクテリアとウイルスの変種が危険な水準に達しようとしていると警告しています。ほとんどの薬はこれらの耐性菌に効果がありません。変種バクテリアの多くは最も強力な抗生物質に対する耐性を劇的に強めています。したがって健康な免疫システムは健康と長寿のために中核的な位置にあります。
免疫を高める、そのひとつの福音が、牛の初乳に含まれている「トランスファー因子」です。
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