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ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、異物細胞や自己変異細胞を攻撃する |
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No7、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)とは?
免疫細胞の種類
白血球 |
単 球 |
マクロファージ |
サイトカイン放出に関与、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)などを活性化。 |
リンパ球 |
T細胞 |
T/ヘルパー細胞、T/キラー細胞、T/サプレッサー細胞 |
B細胞 |
抗体を産生。
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NK細胞 |
ナチュラルキラー細胞は文字通り生まれついての殺し屋。殺傷力が高く、常に体内をパトロールし、ガン細胞やウイルス感染細胞を見つけると、単独で直接殺す。白血球全体の15%〜20%位の割合。 |
顆粒球 |
好中球 |
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好酸球 |
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好塩基球 |
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ウィルス感染によるナチュラルキラー細胞(NK細胞)の反応
私たちの身体は、ウィルス(左図の黄色部分)に感染すると、それと同時に各免疫細胞も順次反応します。
ウィルスが進入すると、マクロファージなどが放出するタンパク質性物質、@サイトカイン「TNFα(腫瘍壊死因子)、IL12(インターロイキン12)、INFα(インターフェロンα)」などが、「ウィルス進入」と言うシグナルを出し、それを受け取った免疫細胞のANK細胞、BキラーT細胞、C抗体が、順次活動を開始します。 ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、単独でウィルスに立ち向かいますが十分に機能するまで1〜2日を必要とし、その後活性化されます。
ごらんの通り、ウィルス感染後、最初に活動するのがナチュラルキラー細胞(NK細胞)です。
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ロックフェラー大学の科学者ら、ナチュラルキラー細胞に関する新しい発見を公表
2004年6月25日、ユタ州サンディ発―The Journal of Immunology(ジャーナル・オブ・イミュノロジー)の2月号に掲載されたロックフェラー大学のクリスチャン・マンツ博士、ガイド・ファラッツォ博士によるそれぞれの報告書によると、「身体のナチュラルキラー細胞(NK細胞)は感染した細胞を認識し、破壊する能力を得る必要がある」こと、そして「ナチュラルキラー細胞に、常時、栄養を与えなければならない」こと、また「ナチュラルキラー細胞の、腫瘍や感染した細胞を破壊する能力は、誕生時には持ち合わせていない」ことを発見しました。 さらにマンツとファラッツォの両氏は、ナチュラルキラー細胞の機能は、「特定の健全な免疫サポート活動に対して、誕生後、教育され、適応し、的を絞ることを理解し始める」と言っています。
つまり、ナチュラルキラー細胞は栄養と教育を必要としており、どの細胞が有害であるかという知識を、ナチュラルキラー細胞は生まれつき持っているわけではないということ、また、特定の病気や感染細胞を攻撃するためには、誕生後に教育された結果、様々な状況に適応し、且つ、攻撃対象に的を絞った機能を持つと述べています。 |
では、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)とは何でしょう?
実は、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)に関してはまだまだ研究途上です。その理由は、ナチュラルキラー細胞それ自体の発見が、1975年と、比較的新しいからでしょう。 実際、私たちの体の中の「リンパ球」の70〜80%は「T細胞」、5〜10%が「B細胞」であることは判っていましたが、残りの15〜20%の免疫細胞は長い間不明のままでした。この残りの15〜20%にあたる細胞が、「ナチュラルキラー細胞」だったのです。ナチュラルキラー細胞は、1975年に米国のハーバーマン、日本の仙道富士郎教授(山形大学医学部教授:免疫学)等によって同時に報告され、その存在を知ることとなりました。
ナチュラルキラー細胞は、NK/T細胞系列の進化において最初に生まれたリンパ球で、形態学的特徴により、大型顆粒リンパ球とも呼ばれます。 ナチュラルキラー細胞は、すでに健康成人の末梢血中にある一定数存在し、T細胞やB細胞が抗原で刺激されてはじめて働くのとは異なり、常に体内を独自でパトロールしながら、がん細胞や、ウイルス感染細胞などを殺す頼もしい「殺し屋」です。
つまり、ナチュラルキラー細胞は、体内を常に独自でパトロールしながら、がん細胞やウイルス感染細胞などを発見すると、たとえ攻撃指令がなくても独自に戦闘態勢に入り、強大なパワーで敵(抗原・異常細胞)を殺してしまうという性質を持っています。特に、抗腫瘍効果には抜群の威力を発揮します。 |
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の役割と働き
・ナチュラルキラー細胞は、先天性の免疫系統すなわち自然免疫系に属します。ナチュラルキラー細胞の攻撃目標は、「非自己」と「変質した自己」、つまり自分の体の一部と認識する印のない細胞です。バクテリアやウィルスなどの異物細胞には自己認識印はないし、ガン細胞など「変質した自己」は自己認識印を失う場合が多くあり、このような自己認識印のない細胞すべてを、ナチュラルキラー細胞は常に攻撃します。ナチュラルキラー細胞は国防軍と同様、外国の侵入から国を守ることと国内の治安を守る役割を果たすのと同じく、自分の体の外敵および内敵を攻撃撲滅します。
@ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は文字通り生まれついての殺し屋。殺傷力が高く、常に体内を独自でパトロールし、ガン細胞やインフルエンザなど、ウイルス感染細胞や細菌を見つけると、単独で直接殺してしまう。
Aナチュラルキラー細胞が欠乏すると、ガン、後天性・先天性免疫不全症状、慢性疾患、感染症、自己免疫疾患、遺伝子疾患、行為障害などの疾病に罹りやすい。
Bナチュラルキラー細胞の活動があまり活発でない若者はガンに罹り易い傾向があり、加齢と共にナチュラルキラー細胞は減退、病原体を攻撃する機能も衰える。
Cストレス・慢性的ストレスによる倦怠感・身体的損傷は免疫不全をもたらし、ナチュラルキラー細胞の活動は抑制される。ストレスに継続的にさらされると、ナチュラルキラー細胞の活動が停滞しガンなどの進行が加速され、他の免疫機能に影響をおよぼす。
Dナチュラル細胞の活動が鈍くなると、重度の慢性疲労免疫機能障害症候群(CFIDS=慢性疲労症候群)を経験する頻度が高くなる。
Eナチュラルキラー細胞が十分機能しない場合、他の免疫系統も機能することができなくなる。 |
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性は加齢と共に減退する
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は年齢によってその数が変化します。生まれたときは数が少なく、加齢にともなって増加します。20〜30才の健康な人の場合、末梢血中のリンパ球に占めるナチュラルキラー細胞の割合は約10〜15%くらいでが、50〜60才になると、比率は約20%程度に上昇します。
しかし、ナチュラルキラー細胞の活性(破壊能力)は、逆に、加齢とともに低下していきます。ナチュラルキラー細胞の活性化は、右図のように15歳前後をピークに加齢と共に減少傾向にあります。
健康な人の体内では、毎日100万個ほどのガン細胞が生まれていますが、ナチュラルキラー細胞など免疫機構が正常に働いていればすぐに摘み取られ、即ガンになることはありませんが、加齢と共にその危険度は高まります。高齢になるほどガン発生率、生活習慣病の罹患率が高くなるのは、ナチュラルキラー細胞の活性化の衰えに関連しています。 |
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性を高めるためには
@喫煙をひかえる A適度の飲酒を心がける B質の良い睡眠をとる Cムリのない適度な運動(歩く)をする D笑う E充分な休養などでストレスをためない F体温を下げない G薬・抗生物質を乱用しない Hバランスの良い食事を心がける I健康補助食品を利用する
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