ガン細胞は恐ろしい敵か?

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ガン細胞は恐ろしい敵か?


No1、ガン細胞は、なぜ恐ろしい?                 森田 文雄
ガンという病気は、なぜ恐ろしいのでしょうか。
ここで、少し整理をして考えてみましょう。

なぜ、ヒトはガンを恐れるのでしょう。
1) 死因の第1位を占める恐ろしい病気だから
2) 不治の病だから
3) 両親や知人がガンで亡くなったから
4) ガンの末期症状は悲痛で耐えがたい、と聞いたことがあるから

上記のいずれも多くの人々がガンを恐れる大きな理由だと思います。
もし、ガンに罹っても確たる治療法があれば、また、カゼのように必ず治るクスリがあれば、これほど恐れられる病気ではなかったでしょう。

ご存知の通り、ガンは自分自身の体内にガン細胞が発生することによってはじまります。このHPでは、ガン細胞は先天的、あるいは後天的な遺伝子レベルでの細胞障害がきっかけとなって発生することを紹介いたしました。でも、遺伝子レベルでの細胞障害を受けるってどういうこと???きっと、このような疑問をもたれた方もたくさんおられると思います。

ガンという病気が本当に恐ろしいのは、天然痘やSARS(今年、中国から発生した新しい感染症)のように身体の外から病気の元(病原体)がやってくるのではなくて、自分自身の細胞がいつのまにか恐ろしいガン細胞に変わってしまうからなのです(自分自身の細胞の遺伝子が突然変異を生じたために、ガン化したもの)。

そうです、ガン細胞は他でもない自分自身の細胞から発生した細胞なのです(自身の一部)。そのため、ガン細胞が、体内に生じたときには自分自身の細胞と殆ど見分けがつきません。ガン細胞が増殖し、正常な組織を押しのけたり、壊したりするようになって初めてその存在に気づくわけです。

たとえば、イラク戦争での米軍の困窮状況を思い浮かべてみて下さい。敵が、明らかに敵対する軍隊(イラク軍の軍服を着た正規軍)だと一目で判別できれば、即座に武力で排除することも可能です。しかし、一般民間人のなかに潜伏するゲリラの掃討作戦は容易ではありません(武力を行使すると一般民間人の犠牲は避けられません)。ガン細胞もよく似た状況なのです。

ですから、このように遺伝子に変化を起こした細胞(不良な細胞)を見つけ出し、排除するシステムが望まれるわけです。もしも、すべてのガン細胞が、みんなボクは、わるい子ですと書いたTシャツでも着てくれるといいのですが。

では、このようなガン細胞の遺伝子変異とガン細胞を排除するシステムについて、これから一緒に考えてみましょう。

参考資料:がんは1981年から増え続け、死因の第1位を占めています。98年は全死亡数96万6484人中30.3%の28万3921人ががんで亡くなっています。


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